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協議会の再生支援における数値基準とは?【後編】~「3年・5年・10倍」の意味

前回の【前編】では、協議会の支援によって策定する再生計画の「3年・5年・10倍」という数値基準の算出方法について解説しました。
今回の【後編】では、それらの数値基準が金融機関の査定においてどういう意味を持つか、さらには協議会におけるそれら数値基準の取り扱いについて解説します。

先ず、金融機関においては、前編でご紹介した数値基準を満たした計画であれば、各金融機関が独自に行う自己査定における「実抜計画」または「合実計画」の要件を、ほぼ充足する内容になっているものと思われます。
つまり、協議会の数値基準を満たした再生計画であれば、金融機関にとって「実抜計画」または「合実計画」と見なすことが可能、という見方ができると考えられます。(ただし、最終的には各金融機関の個別判断によります。)

このように、協議会の数値基準を満たす計画を策定することは、
「財務内容の健全化(=黒字化、債務超過解消)」と「金融取引の正常化(=リスケなどの金融支援の解消)」
につながるための第一歩になります。

さらに、これらの基準は「金融機関に認めてもらうための数字」にとどまらず、経営者自身にとっても、自社の経営を立て直すために、どのくらい利益を出す必要があるのか、どのくらい借入金を減らしていく必要があるのかを把握するための、経営改善の具体的な道しるべになります。

次に、協議会による実際の支援における「3年・5年・10倍」という数値基準の取り扱いについて見ていきます。
本来であれば、はじめから「3年・5年・10倍」の数値基準を満たした再生計画を策定できることが望ましいといえます。しかし、実際には支援を開始した段階では3つの基準全てを満たす計画を策定することは難しく、次のような問題を抱えるケースが多いのが実情です。

  • 赤字額が大きく、3年以内の経常黒字化が難しい
  • 債務超過額が大きく、5年以内の債務超過解消が難しい
  • 借入金が過大で、収益力も不足しているため、計画終了年度におけるキャッシュフロー(CF)倍率10倍以内の達成が難しい

このような場合でも、はじめから数値基準を満たせないからと言ってすぐに協議会の支援の対象外になるとは限りません。
先ず収益の改善や資金繰りの安定を優先した「プレ再生計画」を策定し、その後に改めて数値基準を満たす再生計画の策定を目指す、という支援方法も選択肢の一つとなっています。

「プレ再生計画」は最大3事業年度の計画策定支援であり、協議会が最初から本格的な再生計画の基準を満たすことが難しいと判断した場合に、段階的に経営改善を進めるときに用いる手法です。

尚、売上や借入金が1億円未満の小規模な事業者等についてはこれまで説明してきた数値基準とは別の基準が設けられており、債権放棄等の要請を含まない再生計画の場合、3事業年度継続して営業キャッシュフローがプラスで推移する計画内容であればよいこととなっています。

資金繰りに不安がある場合や返済条件の見直しを要請しようと考えている場合は、早めに専門家や支援機関へ相談することが大切です。
当協議会では、「公正中立・秘密厳守・事業見直し重視」をモットーに、知識と経験豊富な専門家が常時相談に応じています。
手遅れになる前に、是非早めにご相談下さい。

協議会の再生支援についてさらに詳しくお知りになりたい方は、小企業活性化協議会「実施基本要領(別冊2)~再生支援実施要領」および「再生支援実施要領Q&A」(いずれも中小企業庁WEBサイト)をご参照ください。

なお、再生支援とは別ですが、「経営改善計画策定支援事業(通称405事業)」の通常枠についても、2026年5月から、認定支援機関などの専門家が関与する経営改善計画の数値基準の要件化が公表されていますので、お知りになりたい方はご覧ください。

2026/8/31

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