前回のコラムでは、経営判断において、キャッシュを意識することの重要性について触れました。
しかし、借入金の返済原資となるフリーキャッシュフローなど、
キャッシュの動きを把握できるキャッシュフロー計算書は、
なかなか作成が難しいものです。
そこで、簡単にフリーキャッシュフローを算出する方法をご紹介します。
例】以下の財務内容の企業のフリーキャッシュフローを求める場合…
X年の現預金が80、借入金は150でした。
翌期の現預金は100、借入金が200に増加しています。


このフリーキャッシュフローの計算ではPL(損益計算書)は必要ありません。
前期と当期の現預金と借入金の残高を比較するだけで、フリーキャッシュフローを算出できるのです。
フリーキャッシュフローがわかるということは、返済原資がわかることを意味し、
企業が実際に儲かっているかどうかを把握できます。
一方、試算表の利益には正確な棚卸が反映されていない可能性もあり、
それを正しい利益として、融資の判断材料にするには疑問が残ります。
試算表で黒字だから大丈夫、という判断はとても懸念が残ります。
現預金と借入金の残高を毎月フォローする方が、
フリーキャッシュフローを正確に把握することができます。
2025.3.12